次代を担う若手演劇人のための公開講座
芸創ゼミvol.2
ヨーロッパ企画主宰・上田誠によるワークショップ
日時 5月30日(火)19:00〜
会場 演劇練習室中B(演劇練習室小Aより変更)
http://www.artcomplex.net/art-space/sche.html#060530
行ってきました。おもしろかったー!
集まった参加者は12〜3人。そのほぼ全員がヨーロッパ企画の名前を聞いたことがある状態ではあったものの、実際に舞台を観たことのある方は半数くらいでした。なので、ヨーロッパ企画の舞台を観たことをない方にも伝わる目線での、概観的なお話が多くありました。でもその一方で「ほーう」「うわわ初めて聞いたよ!」っていうような思わずうなる貴重な裏話、あとイベントや公演の制作意図なども包み隠さず教えてくださって、全体的にはゆるゆるとしたあたたかい雰囲気のなかにも上田さん節満載、いっぱい笑いながら過ごす、楽しく充実した2時間でした。
上田さんのお話はなんでこんなにおもしろいのかしら。きっと言葉の端々に、上田さんが感じる「おもしろいこと/おもしろくないこと」の価値観がはっきり現れているから、なんでしょうね。それがいつも、ものすごく大きな安心感につながっているような気がします。
作品についての制作意図やら作品が生まれるきっかけやらを主宰自らに語っていただけるなんて、なんとまあ、これ以上ない豪華な体験。実は直前になって急な予定が入ってしまい参加できないかもとヒヤヒヤでしたが、なんとか会場にたどり着けてお話を聞けて本当によかった。ありがとうございました。
それから、参加者が紙に書いて渡した質問(ひとり3項目くらい)の全部に対して、とてもていねいに答えてくれました。ほんとにうれしいです、この距離感が。
以下、せっかくの貴重なお話だったので、自分の記憶と手元に残っているメモをもとにまとめておきますね。別に講座内容をそのまんま載せるつもりはありませんが、ところどころ私の記憶違いで上田さんのされた話と意図が異なってしまっている可能性があります(というか、絶対いくつもあると思います)。お気づきの方はぜひとも、コメントとか記事のいちばん下にあるメールフォームにてご指摘いただければと思います。よろしくお願いします。
明らかに相当長くなる予感がしますので「続きを読む」へ。
上田さんがヨーロッパ日記で「躁っぽい」などと書かれていますが、
お話を聞いた私は、よりいっそうの躁状態にあるかもしれません。
◇
お話の柱は、資料として配付された公式サイト掲載の活動歴(こちら)に沿って、ヨーロッパ企画が生まれて今日にいたるまでの活動についての説明。で、その合間合間に、質問コーナーということで、参加者が書いて渡した質問全部に対して、はみだしコラム的に(←「この位置づけ、いいですよね」上田さん談。笑。)ご回答くださる時間が2回ほど。
質問は何でもOK、上田さんの話の内容に沿っていなくてもいいですよ、ということでしたので、みんな思うがままの質問を遠慮なくぶつけてらして、後半はこの質問コーナーがむしろどんどんメインになってきましたが、そのこと自体が参加者である私には特に嬉しく、ありがたかったことのひとつです。
長文になってしまったので、強い印象を受けた部分の私の感想だけを先にピックアップしてみました。ピックアップだけで既に長いけど。↓
■ヨーロッパ企画のもつ大きな魅力のなかには「舞台以外の活動がおもしろい」「役者ひとりひとりがそれぞれにおもしろい」という2点があると思いますが、それは「役者ひとりひとりがおもしろいんだ、ってことをもっとうまく伝えたいなあ」と考えた上田さんの狙いが、そのまま形になっているんですね。SSMFももちろんですが、ヨーロッパスタジオ祭りではそのおもしろさがものすごくストレートに伝わってきたので、来月開催される第2回のスタジオ祭りが本当に楽しみです。去年は参加しなかったチャットや掲示板、勇気を出して参加してみようかなあ。うーん。迷い中。
■「“まぜる”ことに強い興味とおもしろさを感じる」というお話。「すごくよくわかる。私もそうなんです私も!」と、たいへんに共感しました。「ゲームとエレキをまぜて、ファミコンという新しいエンターテイメントができた」という話は、何度聞いても同じように新しくワクワクします。ヨーロッパ企画のおもしろさの根っこには、この「全く別のものをまぜて新しいものをつくりだす」精神があると感じます。Windows5000を観たときにもやっぱりその確信を深めたしなあ(そのときの感想はこちらです→京都・東京・大阪)。これからも、こうして実際に上田さんご自身の言葉で「まぜるおもしろさ」の話を聞けるうちは、安心してヨーロッパ企画のつくりだすものたちをおもしろいと思えるだろうなあ、と、しっかり安心。この安心感が、とってもうれしい。
■「平凡なウェーイ」の話。これ、今回いちばん聞けてよかった話かもしれません。私がはじめてヨーロッパ企画を観たのがこの作品だったのですが、上田さんが今回話してくださった場面、まさにその瞬間に関して、確かにとんでもなく強い印象を受けたのですね。でも私はヨーロッパ企画に慣れていなかったもんだから、その瞬間だけでなく、作品全体を端から端まで均等に観て、ひとつひとつの展開に意味を求めようとして、その結果「ちょっとよくわからないなあ」と思っていた(当時の感想はこちらです)。でも今回「この舞台でやりたかったのは、あの瞬間の感覚だけだったんです」という話をご本人から聞いてとっても安心したし、作品に対するほのかなわだかまりがこれでようやく氷解した気がします。あの瞬間に自分が感じたことを、そのままに味わっていたらよかったんだ、それで充分だったんだ、って。自分の中で新しい解釈やらを持ち出して無理にこねまわしたりしなくていいんだとわかってよかった。
■話が山場にさしかかったタイミングで上田さんが、ふと我にかえったのか「ね、役に立つ話なんてないんですよ」って、突然ポツリとおっしゃったんですね。このとき「あっ、いままさに、ご自身の中のCHAGE&ASKAと電気グルーヴが戦っていらっしゃる!」と、ニマニマしちゃいました。(常にご自身の中で、ポジティブに「おもしろいやん!」と盛り上がるCHAGE&ASKAと、ネガティブに「サムイよイタイよ」と呟く電気グルーヴとが戦っているとおっしゃった…って話を、先日ネットで見かけて爆笑したばかりだったので。)
■団体としての価値を高める方法として、たとえば「もったいぶったり出し惜しんだりすることでプレミア感を出す」というような活動スタイルだってありうると思うんですが、ヨーロッパ企画には本当にそれがなくて、何でも惜しげなくみせてくれる感覚で、そのおかげで観ている人がみんな内輪意識を共有できてて、すごく居心地がいいなあって、いつも思っているんですね。で、今回上田さんの話をうかがっていて、そんなヨーロッパ企画のもつ居心地のよさの核はやっぱりこの方なんだ、ってつくづく思いました。何でも話そう、おもしろさを伝えよう、という姿勢が、すごくすがすがしい方です。私も見習いたい。
はい。感想でした。
ここでやめてもいいんですが、
以下、いちおリソース的に掲載しておきますね。
---
ヨーロッパ活動歴ばなし・質問コーナーばなしそれぞれについて、
上田さんがお話されていた大きなこと小さなことをずらりと箇条書きで。
<ヨーロッパ企画の活動歴に関して>
◆ヨーロッパ企画立ち上げ前後の話に関しては、ヨーロッパスタジオの企画のひとつである「ヨーロッパ企画5周年企画 UFOメンバー座談会(こちら)」で語られているのと重なるところが多かったです。→このUFO座談会は大好きなページなので、私は既にものすごい勢いで何度となく読破済み。でも、このページに書かれていなかった話もありました。
◆「(ヨーロッパ企画のいまむかしについて)まろびながらお話していこうと思います」。→その「まろびながら」というものいいが、いいのです。細かいメモですがこれは残しておきたい。
◆豆本は10巻くらい発行されたそう。コンセプトは「授業中カンペンに隠して読める本」。シリーズ名はコンパクトブックス。
◆高2で脚本を執筆された「鳥が鳴く街」は、「Ifもしも」と「世にも奇妙な物語」を足して2で割ったような作品。それまでゲームを作ったりギターで作曲したりしていていずれも苦しかったけれど、「鳥が鳴く街」ではその苦しみよりもむしろ、おもしろかったという気持ちのほうが強かった。だから高3でも続けて舞台脚本を(志願して)書いた。→それが「8人の入りたい奴ら」ですね。
◆大学選びの話。大学の劇団に入ること(そしていずれは新しい団体を立ち上げること)を意識していたので、高校生のときにいくつかの学生劇団の舞台を観に行き、そのなかでよかったのが立命館大と同志社大。ただし、立命館大だと、上田さんが志望する工学系学部は滋賀のびわこキャンパスになってしまうので、それはさびしいなあと避けて、同志社大に入学する。
◆新入生勧誘のための舞台が上演される(新人勧誘公演「怪人になった男」むらまつこうしさん作・主演)。これがとてもかっこいい舞台で、上田さんはいたく感銘を受ける。ドあたまから頭角を現してやろうと思って、4ステージあるうちの第1回上演の直後に入団し、さっそく手伝いをやっていた。入学時によく抱きがちな無敵感覚で、全能感にあふれていた。6月の公演では音響を担当。
◆その勧誘公演の打ち上げで、劇団内の花形的存在が集うAテーブル(コレは多分上田さんたちが勝手に命名)と、それを横目でにらみつつ意地悪くも新入生に対して一発芸の要求を繰り返す、ちょっとアングラっぽいBテーブルがあったのだが、そこで(もちろんAテーブル狙いで)頭角を現す気まんまんだった上田さんは、うっかり、なんとなーくさえない感じ(笑。)の先輩、諏訪さんにつかまってBテーブルに座ってしまった。
◆以降、同じく工学部生のため、3回生になってもクラブBOXと同じキャンパスにいすわりつづける諏訪さんとともに、長いことそのときのBテーブルグループと行動をともにするようになってしまう。でもそれと同時に、長台詞をキメることやらスポットライトを浴びることの恥ずかしさなどを、そのメンバー間で共有・醸造しはじめる。→このへんの感覚が、ヨーロッパ企画のルーツ、ですかね。なるほどー。
◆第1回公演「ところで、君はUFOを見たか?」の入場料200円は、文化祭だったので、お好み焼きと同じ値段に、という方針で決めた。
◆第2回公演「翼よごらんあれが恋の灯だ」は屋外特設テントでの公演となり、風が強すぎて声が聞こえないお芝居になってしまった。あまりの強風にテントが倒れそうになったので上田さんがあわててハサミでテントに窓状の通風孔をあけてまわったところ、風でその穴からピューピュー音が。笛のようなテントになってしまった。
◆劇団衛星といっしょにやることで、大切なノウハウを教えてもらうことができた。ビラを重視して事前にお客さんに期待感を持ってもらうこととか、1回1回の公演にイベント性をもたせることとか、ほかにもたくさん。
◆上京の話。ガーディアンガーデン演劇フェスティバルに応募して「苦悩のピラミッダー2」で上位3組に選ばれたときのできごとが印象的だった。→このお話がもう、めちゃくちゃおもしろかったです。が、ここで言葉にはうまくできない。笑。とにかくショッキングな体験だったんだそうです。あと、選ばれるかどうかは紙一重だった、とも。
◆第12回公演「囲むフォーメーション」は、それまで積み重ねてきた(ブルーハーツのように、どんどん楽器が重なってきて大音量になり迫力を増してきた)状態をいったんクリアして、純粋に、自分がこれはおもしろいと思えるものを作品にしてみた。ヨーロッパ企画の作品を「アートの要素メイン」「エンターテイメントの要素メイン」に分類するなら、この作品は相当アートよりの実験的な試み。で、この作品が東京で受け入れられた。地域による反応の違いがたいへん印象的だった作品。
◆関西やそのほかの地方では、観客はふだん、舞台とは離れたところで別の生活を営んでいて、そこから別世界のエンターテイメントを求めようという目的で舞台に足を運ぶ傾向にあると思う。そのため観せる側としては、新しいことをするよりも、「楽しませよう」という意識が強くはたらく。
◆一方、東京では、舞台コンテンツに慣れた観客が比較的多いような気がする。そのため、新しいものを観せたとき、がんばってついてきてくれるムードが他の地域よりも強い。アート寄り。観せる側としては「修行に行く」という感覚。この、東京と地方の感覚の違いに対し、うまくバランスをとっていけたらと思う。
◆アート/エンターテイメントのバランスについてはこの頃から明確に意識しはじめていて、「サマータイムマシン・ブルース(=エンターテイメント寄り)」と「空前のクイズアワー(=アート寄り)」とを交互にしかけていくというもくろみで展開。→観たかったなあ、クイズアワー。多分私が一番好きな公演なんじゃないかという気が、勝手にしています。
◆第15回公演は、エンターテイメント寄り作品のつもりで「ムーミン」を上演。でもあてがはずれ、意外にも不人気(!)。続く第16回公演「インテル入ってない」は、アート寄りのイメージ。でもこれもあてがはずれ、意外と(!)受けた。
◆このころから、「役者ひとりひとりがおもしろいんだ、ってことをもっとうまく伝えたいなあ」と考えるようになる。役者はみんなボーカル、そしてどうせならみんながそれぞれ美空ひばりとか、おもしろい人であってほしいし、観客にもそういう観方をしてほしい! →この辺、例えがよぅわかりませんでした(笑。)が、上田さんは何かを音楽に例えることが多いんですねー。なるほど。あと、ここで出た「みんなおもしろいやん!って思ってもらいたい」というところから始まった数々の活動が、私は本当に本当に好きなので、この話を聞いたときは背筋がゾクッとしました。
◆その、「みんなおもしろいやん!って思ってもらいたい」気持ちと、諏訪さんがかねてから遊びで作っていた映像作品たちを組み合わせることで、「ショートショートムービーフェスティバル」というイベントが誕生。このころから、メンバー個々による発信がどんどん行われるようになっていく。「いろんなものに対して言えることだけど、こうして二つの別なものたちがまざって新しいものが生まれるということに、ものすごく興味やおもしろさを感じる」とのこと。
◆「別のものどうしをまぜて、全く新しいものを作り出すのがおもしろい」という話について。「ゲームとエレキをまぜて、ファミコンができた」。「文章と絵をまぜて、マンガができた」。こんなふうに、いま世の中にあるいろんなものどうしを、ジャンルを飛び越えてわーっとまぜあわせるっていう集団があればおもしろいんじゃないかなあ、というのが、ヨーロッパ企画のめざしているところ。→深ーく、共感。
◆第17回公演「平凡なウェーイ(平凡なウェ〜イ?どっちが正しいのか結局よくわからないよぅ)」の話。ロードランナーズ・ハイの頃に、道を歩いていて事故を目撃した。そのとき上田さんは舞台のことで頭がいっぱいで、事故を見た瞬間に気持ちが急にぐぐぐっと道(=現実)に引き戻された。そのときの独特な感覚を再現して、観客にも味わってもらいたかった。→「あの瞬間だけがやりたかったんです」という言葉に「そうだったのかー」と、納得しました。確かにあの瞬間は強烈だったもんなあ。あと、この作品では、「映像と舞台をまぜる」という試みをやってみましたよ、とのこと。
<質問コーナーでのお話>
Q.劇団を育てるうえで大切なことは?
A.コミュニケーション。すぐれた力を持っている人であっても、メンバーとの折り合いや、おもしろいと思うことの方向があわないと、なかなかうまくいかないと思うので、とにかく風通しのよいコミュニケーションが大切。
Q.「この人はおもしろそうだな」と感じるポイントは?
A.顔とか風貌とか、あと少し話してみて、もっと話したいなあ、というひとはすぐにわかりますね。前に一度だけオーディションをしたことがあって、そのとき合格になった西村さんは、学校で作ったというクレイアニメを持ってきていて、それをオーディション中何度も観て全員で爆笑していた。
Q.豆本を公開される予定はありますか?
A.ホームページとかに載せてもいいなあとは思っています。でも、ワープロを使うこと自体が楽しいっていうレベルで作った本なので、そんなにすごいものではないです。「ねねねねねわねね」とかずらりと打ってて、ウォーリーを探せ的に隠された「わ」を探そうとか、そんなんです。そんなんだけです。笑。
Q.稽古はどんなふうにしているのですか?
A.ほかの劇団とは違って、訓練のようなものはほとんどなく、作品をつくるために即興のお芝居をすることが多いです。役者による即興のおもしろい言葉やしぐさをメモして集め、それをまとめて芝居にするという感じです。ただ、そうした即興で出るおもしろさとは別に、脚本家が机に向かってうんうんうなって初めて出るおもしろい台詞というものもあるので、そこはバランスをとるようにしています。
Q.小学生のときたくさん本を読んでいましたか?
A.たくさん読んでいたけれど、好きなのはそれよりも「世にも奇妙な物語」とか「Ifもしも」とか「大人は判ってくれない」とか。「僕たちのドラマシリーズ」も好き。「風雲!たけし城」は大好きで、殿がアトラクションをさし棒で示すときに使うミニチュアのアトラクション模型をつくりたくて、実際に作ってみたりしていた。ビックリマンシールも最初から最後まではまりました。本は、星新一にはまりました。全部読んだと思います。
Q.ビックリマンの中で、ハートのついた矢印をもっている天使で「やーのやーの」っていうキャラがいたと思うのですが名前が思い出せません。
A.No.9の十字架天使ですね。その後クロスエンジェル、(以下私が脱落したため省略です)…と進化しました。いま答えていて気持ちよかったです。→すごく嬉しそうでした。いい表情です! 笑。
Q.コントと芝居の違いは?
A.ヨーロッパ企画ではコントのことを「短編」と呼ぶことにしています。コントは笑わせることが主目的で、芝居はそれよりも世界観をみせることが目的になってくるわけで、目的が違うのでデザインも変わってくるのかなあという感じです。ヨーロッパ企画ではこのいずれをみせたいかによって時間、尺を変えてわけています。たとえば「イカダに俺の乗るスペースがない」は、はじめ一本の舞台として構想し、客席のど真ん中に無人島を作る予定だったのですが、作ってみたら観せるものの中心が笑いになったので尺を変え、短編にしました。
Q.どのようにして脚本を書くのですか?
A.去年ヨーロッパ企画のメンバーが「コント書きたい」モードになったときにレクチャーしたのは、「種を、ふくらませて、そのあとしぼって、作品にする」という流れ。「種」は個人のセンスがもっとも要求される部分で、「ふくらませる」過程ではエチュードなどを使ってみんなでわいわい広げていく。その後の「しぼる」過程は、作家の職業的技術がもっとも要求されるところ。はじめの「種」っていうのは、「なんかおもしろいなー」と思えるキーワードなど。上田さんの場合はカタカナをおもしろいと思うことが多いので、「ハワイ」「スタンプ」「ソーセージ」などなど。→このお話、ホワイトボードに図を描いてくださってとてもわかりやすかったです。いろんなものをつくるうえで応用できる話だなあと思いました(などと言いつつ、いま私が書いているこの文章では、しぼるというプロセスを一切踏んでいないですけどね。応用できてないなあ。苦笑)。
Q.これからも京都を拠点にして活動されるのですか?
A.京都拠点でいきます。理由はものをつくりやすいから。東京は流通の基点だと考えているので、京都でつくって東京や地方にもっていく、という流れでいきたい。とはいえ、役者は東京のほうが有利なんじゃないか…とも思ったりするので、実のところ若干のジレンマはある。でも東京に呼ばれたら、みんなでワゴン車に乗って一晩(8時間)かけて日帰り移動すりゃいいので、京都にいても平気ですよ。(本当はしんどいけれど、平気ですよという顔をしているそうです。笑。)上京する車の中では、いつもいつもアツイ上京物語が繰り広げられていておもしろい。月に何度も上京しているのに。笑。毎回おもしろいんで、録音してHPに載せようか、とも話している。
Q.最近おもしろかった映画は?
A.「ALWAYS 三丁目の夕日」、「病院へ行こう」→いま病院モノを書いているので…とおっしゃっていましたが、これは代田'Nプラネッツの話ですね。一瞬「第21回公演のことかなあ」とも思いましたが、考えてみれば7月の舞台が先でした。公式サイトにもあらすじ載っています。
Q.やめたいと思うことはありますか?
A.毎回思います。毎回泣きます。でもその舞台が終わると、次はこういうことをしようとまた考え始めてしまいます。最近は毎回本当に辛いけれど「これが終わったあと、きっとまた次もやりたいと思うんだ、だからこのやめたいという気持ちは幻なんだ」という学習ができはじめました。笑。
Q.おもしろい作品はストンとできるものですか? それともじっくりストックしたものから練りあげてできるものですか?
A.ストンとはできなくて、とにかく時間がかかります。ひとつの場面をつくるにしても、たとえば「何人のかけあい場面にするか」というだけでも何通りも試してみていちばんおもしろいものを探すし、ほかにも場面の要素はたくさんあるのでそれぞれのかけあわせ実験を繰り返しつつ作品をつくっていく感じです。だから物理的に、とにかく時間がかかります。
Q.舞台美術がいつも凝っていますが、どうやって考えられるのですか?
A.台本は設計図で大事な約束事ですが、舞台美術はそれと同じくらい大事なのではないかと最近は考えている。最新公演の「Windows5000」は特に、台詞以上に舞台の果たす役割が大きい芝居だったのでとりわけ力を入れた、とのこと。最終的な間取りは上田さんが決定したそうです。舞台美術を考えるときには酒井さんほか何人かのスタッフと紙粘土をこねて全体像の模型を作り、それが決まったあとに上田さんは脚本を書きに入り、酒井さんは細かなところを調べて実際の制作にかかる、という流れ。
Q.ダイナマイト関西の予選にご出演されますが、これから吉本興業に所属される可能性はありますか?
A.ありません。これからもずっと独立してやっていこうと思っています。ただ、おもしろいなあと思う人は芸人さんの中に多いので、そうした人たちと手を組んで何かをしようとするうえで、吉本はとても大きな存在だと思います。
Q.次回公演は、エンターテイメント寄りですか、それともアート寄りですか?
A.「Windows5000」が自分の中では完全にアート寄りだったのですが、実際に公演がはじまってみるとエンターテイメントの要素が強くなってきたなあという感じなので、次は(もっと)アート寄りでいこうと思っています。節目の20回という峠も越したし、ちょっと変わったことをやろうと思っています。
Q.第2回ヨーロッパスタジオ祭りの予定は?
A.6月18日から一週間、開催します。途中ブラジル戦と重なっていますが、時間帯をブラジル戦の前にするか、それともブラジル戦の時間帯にして観ながら祭りを開催するか、考えているところです。どっちにしてもブラジル戦の日には祭りに参加してもらえない気がしますが。→あはは。 祭り、ものすごく楽しみです!
Q.世代限定の笑いや、時代限定の笑いを意識されますか?
A.特にしていません。が、世代を意識しているというふうに受け取られることは多いですね。パッとJ-WALK(いまはJAYWALKか)の話をしたりするので。笑。新しいものも勉強していかなくちゃ、と思っています。
Q.これから客層が若くなっていくと思いますが、その対策などはありますか?
A.世間一般によく「若い人の中にはおもしろいものをつくる人が少ない」というようないわれ方をしますが、ヨーロッパ企画の若い人と話をしていると、おもしろいものを「選ぶ」能力にたいへん長けているなあと思います。上の世代の人たちの時代には、おもしろいものは新しくつくらなくちゃいけなかったかもしれないけれど、いまは世の中におもしろいものがたくさんあふれていて、そのなかから自分にあったおもしろいものを選ぶ、という力がより大切になってきていて、その力が若い世代に育っているのを感じます。ブログなどもありますし。だから、ヨーロッパ企画としては、これからもそれほど親切にしすぎなくても、若い人に選んでもらえるのではないか、と、楽観的にとらえています。とはいえ新しいものは勉強しなくちゃと思っています。笑。ヨーロッパハウスにHDDレコーダーを導入したので、いまはそれで医龍とかミラクルタイプとかめちゃイケとかを録画して観ています。→「世代」についての質問が続けて出たことにちょっとウケました。しかも上田さん自身は世代限定感を狙って演出しているわけではない、とのこと。そーなんだー意外だなー!(爆笑)てっきり完全に狙っているものとばかり思っていました!
Q.嫌いな役者はいますか?
A.ヨーロッパ企画の中に嫌いな役者はいません。当て書きなので、嫌いになってしまうとおもしろい脚本が書けなくなっちゃうし。もしちょっと嫌いになりかけたら、意識的にたくさん話をして好きになってから脚本を書きます。笑。
Q.普段はどんな活動をしているのですか?
A.京都のヨーロッパハウスでいろんなものを作っています。で、いずれヨーロッパ企画を会社にできたらいいなあと思っています。上田製菓を継がないことに決めたので。
Q.おもしろいことに対する視点が劇団内で食い違ったらどうしますか?
A.いろんな意見を聞いたうえで、上田さん演出の公演ならば最後は上田さんが判断する、とのこと。それがSSMFの作品ならば最終判断は個々の作品の監督になるし、ヨーロッパ企ちゃくならば最終判断は西村さん。
Q.最近読んでおもしろかったマンガは?
A.本秀康「たのしい人生」、「ブラックジャックによろしく」など。
Q.オチを考えてから書きますか?
A.最後まで全部考えてから書き始めます。でも人によってはそうでないのですね。ときどき、びっくりするくらい早いタイミングで書き出す人もいますね。書きながら構成やオチが浮かぶような、いわゆる運動神経に自信がある人はその方法がいいと思いますが、自分にはその自信がないので、オチまで考えてから書きます。
---
途中から、余裕がないため「上田さんが書いてるんか」っていう文体になってしまいました。たいへん失礼しました。うまく直せないので、もうこのままにしちゃいます。
長文お読みくださりありがとうございました。
2006年06月01日
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/18672161
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
「芸創ゼミ」 講師:上田誠
Excerpt: 去る5月30日、ヨーロッパ企画主宰上田誠さんによる「芸創ゼミ」に行ってきました。 いやーっ、面白かった。 始まるまでは「笑いの作り方」講義?体を使ったワークショップ?それは困る! …等と予測..
Weblog: ゆる系日記
Tracked: 2006-06-05 11:11
http://blog.seesaa.jp/tb/18672161
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
「芸創ゼミ」 講師:上田誠
Excerpt: 去る5月30日、ヨーロッパ企画主宰上田誠さんによる「芸創ゼミ」に行ってきました。 いやーっ、面白かった。 始まるまでは「笑いの作り方」講義?体を使ったワークショップ?それは困る! …等と予測..
Weblog: ゆる系日記
Tracked: 2006-06-05 11:11

もう一個のほうにコメント残した後でこちら拝見してるんですけど、改めて素晴らしい!!
こりゃー貴重な資料ですよ。
話を聞いていたはずのあたしも、読んで改めて思い出したエピソードがいっぱいありました。
特に「ガーディアンガーデン」のくだり。
あれ、あの人数ですら結構な笑い声だったですからね、普通の会場で話してたら大爆笑ですよねー。今思い出し笑いしてます。
いやそれにしても、凄い。
プリントアウトしてお風呂で読みたい!
あの時間をなんとか残しておけたらなあって思って
思い出しながらパチパチ打ってたら、こんなんになりました。
これでも数箇所カットしたんだけどね…。
ほんとはもっとコンパクトにまとめておきたかったなー。
貴重なお話&おもしろいお話、いっぱいでしたよね。
ガーディアンガーデンのくだり、おもしろかった! でも書けません! 笑。
ありがとうございました。
ヨーロッパ企画に興味を持ち出したのはごくごく最近なのですが…
代表からいろんな話を直接聞けるってファンには嬉しいことですよね。
こういう機会があれば次は参加したい!って思いました。
ロックの瞬間を感じに私も行こうと思ってます。
ヨーロッパ企画のニュースがどんどこ続きますね。
彼らから発信するものを出来るなら全て受け止めたいと思う今日この頃です。
ありがとうございます。またこうした機会があるといいですよね!
やっぱり「つくるひと」ご本人から直接聞けるこうした言葉には
大きな力があるなあと感じました。あと、ただ単純に、上田さんの
お話を聞いていてとても楽しかったです。いっぱい笑いましたー。
「69のカフェ・オ・レーベル」も楽しみですね!
長いけど長く感じません。
どうか、今後もしぼらないで書いてくださいw
どうもどうも、ありがとうございます。
こういう、記録の意味合いを帯びた文章は
私がヘンに手を入れて絞らないほうがよいと
思ったので、長文のままでOKとしました。
上田さんの話、ほんとおもしろいですよねー。
今頃になって「あ、こんなこともおっしゃってた!」と
思い出すこともいくつかあったりして、あらためて
充実した2時間だったなあと思っています。
濃密なレポートに感動し、思わずコメントをば。
ゆるゆるトークショー形式のワークショップ、楽しそうですね〜。
楽しいモノづくり集団の運営っぷりが伺えて、勉強になりました!
追伸:火星の倉庫、初日観に行きましたよ。いっぱい笑いました♪
いらっしゃいませ! コメントどうもありがとうございます。
楽しかったですよーワークショップ。今でもはっきり覚えています。
今年の夏も参加して、いずれもいっぱい刺激を受けました。
火星の倉庫、いいなあーあ。私は今週末に観てきまーす!