7/24(金)22:30〜24:45 NHK教育テレビ「劇場への招待」
ヨーロッパ企画第27回公演「ボス・イン・ザ・スカイ」
<<出演>>石田剛太 酒井善史 諏訪雅 角田貴志
土佐和成 中川晴樹 永野宗典 西村直子
本多力 山脇唯
<<作・演出>>上田誠
http://www.europe-kikaku.com/projects/e27/main.htm
ふわふわ、地に足つかない気分で観た。
テレビだったら、どきどきしないんじゃないかしら? なんて
思ったりもしていたけれど、杞憂杞憂。
初めて観るボスは、テレビでも、じゅうぶんスリリングだった。
おもしろかったです。前後の特典映像も含め、いい番組だった!
ただいま、終演後の心地よい高ぶりの中にいます。
何がおもしろかったのかをちゃんと書けるといいんだけど、
こればっかりはなー。ちゃんと書けるかどうか。
たしかに、今回を含む最近のヨーロッパ企画作品を観て
「何も起こらないお芝居じゃないか」って思う人は多いと思うし
そのとおりだと思う。でも、これを見慣れちゃうと、
世の中のほかのエンターテイメントが、要素多すぎて、
逆に楽しめなくなっちゃうくらい、ひとくせあるお芝居です。
ひとことで言うと、ヨーロッパ企画作品に通底する
「右肩下がり」な感じ。これが、観ていてやみつきになるのです。
斜陽まっただなかにいるおかしみ、というか。斜陽賛歌というか。
例えば、「衛星都市へのサウダージ」では、近未来の宇宙飛行士が
3Kの厳しい力仕事として、ちょっとさえない感じで描かれていました。
今回の作品も、そのへんはわかりやすくて、
■光の戦士=斜陽まっただなか
⇒華やかさがなくていまいち。だけど、悪くない。
「世界、救えないんだー」と気づいたあとなんだけれど、
大した緊迫感もなく、そこそこ楽しくやっている。
(ヨーロッパ企画がいつもこだわるのはこのクラスタ!)
■ロックフェス=いまの流行どまんなか
⇒ってことは、これから斜陽になる。
楽しい。と、描かれてはいるけれど、そこには重点おかれていない。
(つまり、作品が描きたい世界観からは離れたところにある。)
■おばちゃんの漬け物=斜陽が終わってる
⇒おいしい。年月がとけだしている。
(流行が過ぎ去ったものは、愛をもって描かれている。)
という感じの視点で、これらを全体としてみるに、
やっぱり、「右肩下がり」賛歌だよなあ、と感じました。
このあたり、やっぱり「ムーミン」の世界観を継承してますよね。
「世界、終わらないんだー」「世界、救えないんだー」
っていう言葉が、えらく心に残ったよ。
終わりそうで終わらない時代に生きてるんやなあ。私たちなあ。
あと今回は、ジェネレーションギャップもテーマだったのかなあ。
光の戦士が人気絶頂だったときは、全国に20万人ドラゴン戦士がいて、
小池さん(藤子不二夫)世代で、刺又がかっこいい世代で、
あとは、ドラクエ世代、かな? そういう世界。
フェスに行く女の子はそれより下の世代で、
お漬け物持ってきてくれるおばちゃんは、上の世代ですよね。
「時代にはあらがえない」といった会話も出てきていたし、
このあたり、もう少し味わえそうな気がしています。また観よう。
それから、これまでにもときどき書いていることではありますが、
この人たちが暮らしている世界に、住みたくなった。
こうした「住みたい感覚」って、みんな感じるもんなんかしら。
ドラクエってきっと、なんかこんなんですよね。
クリスタルかざすにしても、その前に「はい、せーの」とか言って。
ドラクエ世界のイメージを、一度でもリアルな世界に
ブレイクダウンして想像してみたことがある人にとっては、
けっこうわくわくな世界なんちゃうやろか、と思いました。
メンバーの演技は、新しいステージをプレイするいつもの面々、
という感じで安定していて、安心して楽しめたなあ。
あっ。でも、一人ひとりは何かしら新しかったような気がします。
これ書き出すと長くなっちゃうので、また今度。
高さを活かした舞台のつくりやかたち、カメラのおもしろみ、
細かい呟きなどについても、あらためてアップしようと思います。
(書きはじめたけど、けっこう長くなっちゃいそうなので。)
折りしも世間はフジロック。
苗場の様子を気にしつつテレビの前に陣取る私たちも、
なんかしら作品とリンクしているように感じた夜でした。
(正直に言うと、twitter でセットリストとか気にしてた。)
関連:
■昭和島あれこれ
(「昭和島ウォーカー」感想。ちょっと「ムーミン」の話も書いています。)
■やったね、という心象そして感傷
(前回のヨーロッパ企画の本公演「あんなに優しかったゴーレム」感想。)
■ヨーロッパ企画のおもしろみを3つほど
(1年ほど前に感じていたヨーロッパ企画の魅力を、私なりにまとめたもの。)
■ヨーロッパ企画のDVD、これがおすすめ!
(口コミをポイント化して集計し、おすすめDVDをまとめたもの。)
